写真家「ユージン・スミス」から紐解く、人間としての生き方とは?

ユージンと実子ちゃん

自分が生き方に迷ったとき
もしくは、この世界に絶望を感じたときに

心の支えとなる人物はいますか?

私の心の中には
複数の偉人がいて

ときには物を言います

そんな私のなかの偉人たちですが
共通している部分があって

それはと言うと…

周囲や社会と折り合いをつけるのが下手で
自分に正直にしか生きられない

という点で

その不器用さに人間らしさを
堪らなく感じてしまいます。

そんな私が今回ご紹介する
人物は、世界的な写真家である 

フォトジャーナリストのユージン・スミス
     
人懐こっくて、酒好きで、女好き
写真に対する信念や情熱が突き抜けている人。

彼の写真への信念がわかる
エピソードがあります。

妥協を一切許さない写真への思い

彼が写真に理想を追い求めて
アメリカでくすぶっていた頃   

日本の大企業である日立が
宣伝用の写真を撮るために、
ユージンに撮影を依頼します。
当初、日本に来る前の打ち合わせでは
ユージンの滞在期間は3ヶ月でした。

しかし、自分が納得するまで
写真の撮影を続け、結局、
1年間も日本に滞在していたのです。

というのも、まずは日本のことを
勉強してからじゃないと写真が撮れない
という理由から、

暇さえあれば、本屋やレコード屋にいって
日本についての参考書や日本のレコードを
買い込んできます。

そして、アパートにこもって、本を読み
レコードを聴く毎日…。

歌舞伎や人形浄瑠璃を見に行くことも。

また、日立の機関車工場や
ダムの写真を撮ることになると、

日本の交通機関の歴史から
日本全国のダムの特徴まで
全てを知ろうとするのです。

ほんとうの人間とは…

そんなユージンですが
20代の頃に太平洋戦争で
日本軍から受けた砲弾や

水俣病の取材中に
五井工場で受けた暴行がもとで、

ひどい頭痛や吐き気、めまい、
目の奥の鋭い痛みに苦しめられていました。

痛みが激しくなると、部屋の中を転げまわり
壁をかきむしって苦しみの叫びをあげるほど
だったといいます。

けれども、
ときにチッソの社員に同情し

彼らもきっと患者さんたちの苦しみは
分かっているにちがいない。

涙をこらえているチッソの社員もいるはずだ。

個人としてはわかっているのに、
チッソの社員としての立場から
それを認められない・・。

とある座談会でユージンは
このように話したあと

「 ほんとうの人間は、
  その立場を踏み切って渡ってくる。
 
    自分の立場を踏み切ったときに
    その個人もまた相手に
  人間として認められるんだ 」

と語っています。

ユージンは20代の頃
戦場カメラマンとして、アメリカ軍に同行し
日本軍との悲惨な戦場を目の当たりにし、
戦争への嫌悪感を募らせていきました。
              
ある日、戦場を駆け回っていたユージンが
道端に倒れている10歳ほどの日本人の女の子を
見つけました。

アメリカ軍の病院に連れていこうと、
その子を抱き上げて歩き始めたとき

アメリカ軍のトラックが通りかかりました。

ユージンは、トラックに乗っていた
アメリカ兵に

「病院まで乗せて行ってくれ」

と頼みますが、

「日本人を乗せてやる余裕はない。
   お前だけなら乗せていってやるから、
   その子はその辺に捨ててしまえ」

と答えたそうです。


ユージンは結局、そのトラックに
乗りませんでした。
そして、病院までの14㎞もの道のりを

怪我をした日本人の女の子を抱きかかえて
歩くことを選んだのです。

座談会で話したあの言葉は
この時の経験から
裏打ちされた言葉だったのではないかと
私は思っています。


私は立場を越えて行動したぞ、
お前たちはしないのか?



そう投げ掛けているように感じます。

私が水俣病に興味を惹かれるのは…

私が「水俣病」について
興味を惹かれるのは

そこで描かれる人間の姿、
立場によって変わる人間の本性
(障害を抱えながらも希望を持って
生ようとする人間の強さや
それをねじ伏せようとする人間の醜悪さ)が、

自分の人間としての在り方を
見つめ直させてくれるからです。


そして、アメリカという遠い国から
こんな小さな島国・日本の
これまた小さな港町である水俣へ

社会の不正を世界へ伝えるためにやってきた
心優しきユージン・スミスに

今もなお惹かれ続けているからです。

William Eugene Smith

P.S.

2021年9月に公開予定の      
映画「MINAMATA-ミナマタ-」で

ジョニー ・デップが演じた映画の主人公が
今回ご紹介した写真家のユージン・スミスその人です。

ジョニーが役に消えたと迫真の演技が話題の映画です。

過去のブログでも、ユージンの魅力について
書いていますので、ご覧になられてくださいね♪

【関連記事】

映画『MINAMATA-ミナマタ-』を観る前に、ユージン・スミスの人物像が分かる「3つの動画」をご紹介。

私と水俣病を繋ぐ数奇な出会い

 

スポンサーリンク

ユージンと実子ちゃん

良い記事は友達にシェアしてね!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA